デンタルアドクロニクル 2014
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96 S-PRGに魅力を感じて 松風社のS-PRGフィラー配合コンポジットレジン(以下、CR)を臨床に用いて10年を越える歳月が経つが、最近、本CRの良好な長期的予後経過1を視覚的に確認することができてきている。米国のフロリダ大学においては、同じCRを用いた13年という長期にわたる良好な臨床成績が確認されているとのことであり、近いうちに学会や雑誌に報告されるのを楽しみにしている。これほどの長期的予後は他のCRには見られないことから、この良好な臨床成績は本CRに含まれているS-PRGフィラーのバイオアクティブ効果に起因しているものと考えられ、S-PRGフィラーの素晴らしさを臨床的に実感している次第である。 われわれ臨床家は、CRの良し悪しをCRのペースト充填操作性や研磨後の色調適合性等、修復処置直後において判断しがちである。しかし、患者の立場に立ってCRの良し悪しを判断するならば、CRの表面状態や辺縁の状態なども含めた長期的な予後経過を指標として判断することが重要と思われる。 材料特性からバイオアクティブ効果へ 当医院では、松風社が開発したマルチイオン徐放性の新素材S-PRGフィラーのバイオアクティブ効果に着目し、S-PRGフィラーを配合したさまざまな歯科材料“Giomer”を2000年前半より多くの臨床ケースにおいて積極的に使用している。このS-PRGフィラーは三層構造からなり、その中間層であるグラスアイオノマー相から6種類のイオン種(ストロンチウム:Sr2+、フッ化物:F-、アルミニウム:Al3+、ホウ酸:BO33-、ケイ酸:SiO32-、ナトリウム:Na+)を徐放することにより、さまざまなバイオアクティブ効果を発現することが報告されている。そのなかでも、接着界面や充填物周囲の歯質への耐酸性向上(歯質強化)、プラーク形成の抑制、細菌が産生する酸に対する中和・緩衝能の発現は、CRの長期臨床経過に影響を与えるものである。近年少なくなってきているものの、CR再修復の一番の原因はCR辺縁部から発症する二次う蝕であるとの報告があることから、S-PRGフィラーからのマルチイオン徐放性が二次う蝕の抑制、そして良好な長期臨床経過へと導いてくれることを期待したい。 さらに、S-PRGフィラーのバイオアクティブ効果に関する報告において注目すべき点は、日本にとGiomer製品の臨床応用について貞光謙一郎奈良県開業 貞光歯科医院連絡先: 〒631-0014 奈良県奈良市学園朝日町2-3貞光ビル1F1989年 朝日大学歯学部卒業1997年 奈良県奈良市にて貞光歯科医院開業各論3各論3

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