デンタルアドクロニクル 2015
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111臨床力アップ に直結! 話題の研修・セミナー情報!ップ ッッッッップ 講師が語る講師が語るです。これまでのリハビリテーションは「守り」の考え方ですが、やはりそこに頼るのではなく、「元に戻す」のがリハビリテーションの本質だと思っています。 三浦さんのご講演の中にも、『守りの健康』と『攻めの健康』というお言葉がありました。「守りの健康」というのは、自分の努力なしになんとか健康を守っていこうという姿勢で、「攻めの健康」というのは、自分の体をどんどん鍛えていくということです。(繁氏)」口腔機能の「攻めの健康」を支える「ラビリントレーナー」 それでは、口腔機能に関する「攻めの健康」にはどのような方法があるだろうか? 繁氏はこう続ける。 「今回のお話をうかがって、私も40年以上前から筋機能療法などの研究を行う中で以前から近い考えをもっていたのですが、それが明確になりました。口腔にも同じように、攻めの健康が必要なのです。そういった考えから生まれたのが、このラビリントレーナーです。摂食・嚥下の機能を保つ。そしてできるかぎり、元の状態に戻す。食べるものも、柔らかいものではなく固いものを食べられるような筋力をつけて、普通の生活を送れるようにするのが目的です。この製品は私が開発して、コナミから発売しています。特許自体は日本歯科大学のリハビリテーションセンターが保有しているのですが、もともとは私が当初から携わってきたものです」 目の前に置かれたのは、プラスチック製の、丸みをおびた長さ20センチほどの装置。(右図)先生がこのラビリントレーナーを使ってよい結果を出されています。嚥下が神経系にどう影響するかはまだ分からないのですが、ご高齢の患者さんの全身状態がとても良くなります。胃ろうが外せるようになる、あるいは全身に力が入るようになり、腕が上がるようになる、さらには失語症が改善するという報告もあります。 また、口呼吸が少なくなってくる面も効果として挙げられます。口呼吸をしていると口渇が生じ、それこそ誤嚥性肺炎やう蝕の原因になりますが、これを使うことで鼻呼吸の習慣がつきます(由里子氏)」 IPSGというと、とかく総義歯やテレスコープ義歯のエキスパートを養成するイメージが強いと思われるが、このように患者の人間の身体全体を考えて、赤ちゃんから老人までの健康を保ち、「包括歯科臨床」の名のもとに、歯科医師としての責任を果たす使命を根幹に据えているのである。「予防補綴」としての高精度なテレスコープデンチャー さて、「包括歯科治療」の名のもとに、乳幼児の咬合育成から総義歯治療までと歯科のあらゆるジャンルを網羅するIPSGであるが、もちろんテレスコープ義歯についても徹底的に学ぶことができる。その根底には、繁氏が提唱する「予防補綴」のコンセプトがある。 「現在、歯科治療においてミニマルインターベンション(以下、MI)の考え方が主流となっていますが、今の団塊の世代、あるいはそれ以上の年齢の患者さんは予防という概念がない時代を生きてきた方々ですから、MIだけでは治療として不足な場合があります。働き詰めで口腔内を省みることなく、半生を振り返ってみれば経済的余裕は生まれたけれど口腔内は……という患者さんがたくさんおられる時代です。そういう患者さんに対し、私は『予防補綴』として、これまでに損なわれた残存歯や歯周組織の状態を整え、残存歯を守るような治療を行っています。 ご承知のとおり、保険のクラスプデンチャーで残存歯にダメージが加わる症例は多いものです。IPSGの補綴は、テレスコープシステムの技術をもとにLongevityのある、まさに予防的な補綴を実践するものです。1度行えば、それ以降は残存歯を悪くしないような補綴。それをめざします。私の経験では、20年、30年経過症例はざらにあります。たしかに初期投資は多いかもしれませんが、長い目でみればそのほうが患者さんにとってもリーズナブルです。MIもたしかにたいせつですが、今は高齢の患者さんの口腔内をこれ以上悪くしないための『予防補綴』、ここに力を注いでいます(繁氏)」 この他にも、予防補綴のための各ステップにおける精度の追求や、最善の歯科医療を患者に提供するためのコンセプトについて熱く語ってくださった両氏。本年も引き続き、ぜひIPSGの門を叩いてみていただきたい。2014年の学術大会にて、三浦雄一郎氏を囲んで。ラビリントレーナー。 「われわれも含め、IPSG会長の飯塚

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