デンタルアドクロニクル 2015
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DENTSPLY Implants with digital dental solutionDENTSPLY Implants with digital dental solution�����������������������������125���各インプラントシステムによって、インプラント体とアバットメントの連結様式にはさまざまな種類があります。今潮流となっているのはインターナルコネクションタイプですが、これには欠点も存在します。すなわち、力が加わったとき、オーバーロードになってインプラント体が破折するといった、力学的なトラブルも報告されているのです。一方、利点としては、アバットメントが動かない、マイクロムーブメントやマイクロリーケージが生じないことが挙げられます。これは、マージナルボーンロスを止めるうえでかなりのプラス要因です。インプラント体とアバットメントというのは、各メーカーが研究開発したとおりの適合が得られなければ、さまざまなトラブルが起きるということを大前提として考えるべきなのです。 それならば、いかなる場合もメーカーが作っている既製のアバットメントを用いれば良いではないか、という話になりますが、現実は必ずしも理想どおりにはいきません。患者の審美的な要求が高かったり、インプラントの埋入位置に問題があれば、既製アバットメントでは適合できないので、当然ながらカスタムアバットメントを作らなければなりません。以前は、カスタムアバットメントも、例えばUCLAアバットメントといった鋳接タイプのものが存在しました。ところが、これには金合金という材質の問題がありました。鋳接という作業は歯科技工士の技術に負うところが大きいため、オーバーフローしたり、鋳巣ができたりして、アバットメントを研磨することになれば、当然そのシステムが要求している適合は達成できなくなります。結果、力学的な問題点が生じてしまう。また金合金は、生体適合材料といわれているジルコニアや純チタンと比べて、プラークがつきやすいという欠点も懸念されます。あるいは、最近の貴金属の高騰を考えると、マネジメントの面でも難しい場合も出てくるかもしれません。そこで白羽の矢が立ったのが、CAD/CAMアバットメントだと思うのです。 CAD/CAMアバットメントというと、「今までの金合金とは違ってローコストだし、何でも自由に製作できる」と考えられ、夢のようなアバットメントだと思われていた時期もあります。しかしながら、前述のように各システムの適合様式に合ったアバットメントができあがらなければ意味がありません。そうした点も熟考され、基礎的な研究やエビデンスの裏付けがあるCAD/CAMアバットメントシステムの登場を、私たちは待ち望んでいました。最近になってようやく期待に沿うシステムが日本に入ってきたことを、非常に嬉しく思っています。4.これからのインプラント4.これからのインプラントトータルソリューショントータルソリューション��最後の質問になりますが、海外では、インプラント治療の診査・診断から最終の上部構造装着まで、その製作過程を一元化できるシステムが存在すると聞いています。こうしたデジタル技術に対して寺西先生が描いていらっしゃる将来展望をお聞かせ願えますか。���もっとも期待しているのは、システムのオープン化です。各メーカー、各システムのデジタル技術は、欧米などを中心にある程度オープンになってきてはいますが、やはりシステムが異なるとデータを共有できない、という問題が残っています。将来的にはさらにデータを共有し、複合化できたら良いと思います。 もう一つは、例えば診査・診断に用いたCTデータ、それを元にしたガイデッドサージェリー、補綴物製作までを一元化することは、デジタルデータがあるわけですから可能なんです。まだ日本では展開されていませんが、たとえばインプラント埋入前に、最初に作成したSIMPLANT®のシミュレーションデータを生かしてCAD/CAMアバットメントを作ることが現在では可能です。 インプラントを埋入したとき、できあがったアバットメントをすぐに装着し、プロビジョナルレストレーションを装着する。そして、一連のデータがコンピュータに保存されていますから、その経過を見ながら、例えば唇側の一部分をもうちょっと深くしたいとか、補綴物の立ち上がり角度を少し変えたいといった、修正や微調整を行うことも可能になります。印象を採らないで最終のアバットメントが修正できる、という時代にさしかかっているということです。こうしたシステムの完成度がさらに上がれば、デジタル技術の可能性は今後さらに広がるでしょう。

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