デンタルアドクロニクル 2015
18/180

16巻頭特集1-4NHK学園専任講師として「美しい日本語」「話し上手は敬語から」講座を担当。㈲ファイナンシャルプラスのコミュニケーション部長として、スタッフのコトバづかい、患者さん対応の指導・サポートにあたる。歯科医師研修、スタッフ研修をはじめ、㈱モリタの歯科衛生士フォーラム、各地の歯科医師会などで、スタッフのコトバづかい指導、話し方・敬語指導を行う。主な著書に『患者さんの心と信頼をつかむコトバづかいと話し方』『院内での正しいマナーとコトバづかい』『歯科医院での話し方80の法則』(クインテッセンス出版)がある。山岸弘子(やまぎし・ひろこ) そこで、無意識にいってしまいがちであり、かつ、患者さんを不快にする言葉をあげてみます。 その代表的なのは、否定的な言葉、傷つける言葉、イメージの悪い言葉、強制する言葉、責める言葉、なれなれしい言葉などです。 否定的な言葉として不人気なのは「でも」「だから」「ですから」という言葉です。 「でも」は、反論するときに使われます。「だから」は「これだけいってもわからないんですか?」というニュアンスを感じさせることがあります。 また、「え、知らなかったんですか?」「常識ですよ」「この前もいいましたよね」などは、相手の知識や記憶力を否定しているように感じさせます。 次に傷つける言葉としては、その人の努力でどうすることもできないことを指摘する言葉です。 家庭環境・経済力・能力・過去などは、その人の努力で変えることができません。口腔の状態は、家庭環境・経済力・能力などに影響を受けている場合もありますので、口腔の状態を表現するときには、主観や差別的な表現が入らないように注意する必要があります。 イメージの悪い言葉としては、 「歯が枯れ木のよう」 「歯の下がドブのよう」 ̶̶などがあります。耳にすると気持ちが暗くなるような言葉です。 強制するような言葉とは、 「口開いて」 「ゆすいで」 「受付で予約取ってから帰って」 ̶̶などの命令口調の言葉です。高齢者相手に、このような命令口調で話しているのを、よく耳にすることがあります。 責める言葉としては、 「どうしてもっと早くこなかったんですか?」 「どうしてこんなにひどい状態にしたんですか?」 ̶̶などがあります。このような言葉は、「否定質問」とも呼ばれます。質問形ではありますが、患者さんを責め、患者さんの行動を否定し、非難するものです。 そして、なれなれしい言葉は、 「~じゃないですかぁ」 「~してもらっていいですかぁ」 ̶̶などが該当します。3.院内で使うべき言葉 では、どのような言葉をかけたらよいのでしょうか。 前記のような言葉に注意したうえで、温かみのある言葉、気配りを表す言葉、わかりやすい言葉をかけてみましょう。 温かみのある言葉とは、その言葉をかけられたら患者さんの心が温まるような言葉です。 「寒くなりましたが、お風邪など召しませんでしたか?」 「ひざかけをおかけしてもよろしいでしょうか?」 「室内の温度はいかがですか? 暑すぎたり、寒すぎたりしたら、いつでもおっしゃってください」 「お疲れになりませんか? 少し休みましょうか?」 「お疲れになりましたか? 一息入れましょう」 「足元が悪いので、気をつけてお帰りください」 ̶̶などがあります。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です