デンタルアドクロニクル 2015
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23 私の歩み ―好評書籍の著者が語る“学びの軌跡”― 巻頭特集2-1先生(奈良県生駒市開業)のコースをご紹介いただいた。木原先生というと、当時一度だけ前歯部インプラント治療の講演を拝見したことがあり、圧倒された記憶があった。ゆえに、当時の私は半信半疑で木原先生のコースを受講した覚えがある。しかしこのコースは、自分の迷いをすべて払拭するようなものだった。 木原先生のコースでは、「患者さんが求めている、絶対に損をしないような歯科医療をいかに提供するか」をコンセプトに行われていた。言い換えると、「5年後、10年後に、患者さんが治療を受けてよかったと思うような医療の実践」である。このコンセプトは、どのコースでも学べなかったことであった。また、「がんばれば自分でもできるようになるかも」と感じさせる木原先生の教えかたも印象的だった。 これこそが、私が実践する歯科医療の形――父が卒後間もない私にくれた課題に対し、10年以上たった2005年にはじめて解を得ることができたと実感した私は、以後、木原先生を第二の師と仰ぎ、今に至っている。 改めて考えると、父の「患者さんにやさしい歯科医療」と木原先生のコンセプトは、表現は違うものの同じ方向を向いているようにも感じている。われわれ歯科医師は患者さんを中心に据えなければならない――この当たり前のことにどれだけ真摯的になれるかを、私は両者から学び続けている。■ 『プロフェッショナルデンティストリー』に込めた思い 2013年中旬より、木原先生を筆頭に門下生18名の力を結集して、『プロフェッショナルデンティストリー』シリーズ5冊を上梓した。このシリーズには、テクニック的なことはほとんど解説されていない。主題は、「患者さんが生涯にわたって安心できる治療計画の立案」である。 木原先生は、洞察力と診断力に優れた歯科医師である。われわれ門下生は、その能力と人柄に惚れ、その域を目指して日々研鑽を積んでいる。このシリーズでは、その過程で得たものを惜しみなく投入したつもりである。 1~4巻は、検査や修復処置、咬合などに関するコンセプトをまとめている。いわば歯科治療を実践する上での戦略だ。そして筆者が参加している5巻では、歯科医療が患者さんのQOL向上に大きく関与することを強く謳っている。1~4巻に5巻を加えることで、永続性のある歯科医療の戦略がきっと見えてくるだろう。特に若い歯科医師にこそ、このシリーズを手に取っていただきたいと願っている。■これからの私 現在の日本の歯科医療は、残念ながら停滞気味である。しかし、日米両国を見てきた私からすると、日本の治療技術は世界でもトップクラスであると確信している。つまり、方法に問題があるのであって、それさえクリアできれば、日本の歯科医療は必ずや盛り返すことができるのではないだろうか。 2011年より、私はDr. Frank Spearが主催するSpear Educationに通っている。私自身のさらなる成長のためではあるが、合理的かつ成長を伴うその教育システムを学ぶためでもある。欧米のよいところを導入するとともに、日本ならではのよいところを伸ばす――今後私は、両者をつなぐ架け橋としてがんばっていきたい。My Learning Curve ̶これまでの歯科医師人生の道のり̶10点5点1994年1999年2002年2004年2005年2011年2014年GPとして人生をスタート。Professional DentistrySTEP5出版Ichiro Nishimura教授と出会い、論文の読みかた、書きかたを学ぶ。Dr. William Beckerと出会い、抜歯即時埋入インプラントを学んだ。(写真は2011年Dr. Beckerの診療所にて)。木原敏裕先生と出会い、人生が変わった。2010年まで同氏の研修会を受講し続け、現在も、歯科だけでなく人生に関するさまざまなことを学ばせていただいている。同年、林揚春先生とも出会い、HAインプラントに衝撃を受けた。Drs. Frank Spear、Greggory Kinzer、Robert Winter、Gary DeWoodと出会う。歯科治療におけるコンセプト、教育、さらには歯科医師とはどれほどすばらしい人生を送れるかを学ぶ。現在に至るまで年数回研修を重ねている。0点卒業●これまで多くの先人たちとの出会いがあったからこそ、今の自分があると感じている。彼らから指導いただいたことすべてが、現在の私の原動力である。

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