デンタルアドクロニクル 2015
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36巻頭特集2-2 編集部が注目! 2015年 今、この人が熱い!Dr. Ryo Kambe神戸 良(かんべ・りょう)2004年、昭和大学歯学部卒業後、開業医に勤務。2012年、PENN ENDO STUDY CLUB IN JAPAN終了、米国ペンシルバニア大学歯内療法学教室マイクロサージェリーコース終了。2013年10月、京都駅前にてエンド専門歯科医院を開業。「 コンセプトに基づいて、すべきことを着実にこなしていくことこそが、治療成功と患者利益への近道です」書籍 編集部が注目! 2013年秋、京都駅前の医療ビル内にエンド専門の歯科医院が誕生した。良デンタルクリニック――石井宏氏(東京都港区)が主催するPENN ENDO STUDY CLUB IN JAPANの新進気鋭歯科医師である、神戸良氏の歯科医院だ。 「しっかりと積み重ねていけば、必ず結果が出る。それがエンド」 神戸氏は、自信を持ってそう語る。これは、彼自身がエンド専門医を目指した理由の1つでもある。 「エンドで大切なことはコンセプト。道具ではない――石井先生からこの言葉を聞いたとき、衝撃を受けました」 PENN ENDOでは、「コンセプトに基づき、すべきことを着実に行っていくことこそが、治療成功と患者利益への近道である」と説いている。大学を卒業後、「これからの歯科医師はどんな治療をすべきなのか?」「患者の利益をもっとも高めるにはどうすればいいのか?」と自問していた神戸氏にとって、PENN ENDOの教育は福音だったという。 「いくら拡大鏡で根管内を覗いても、見るべきものを知らなければ何も見えません。しかし、何をすべきか明確な意図を持って覗けば、おのずとすべきことが見えてきます。コンセプトの有無は、こういうところに顕著に現れてきます」 神戸氏は現在、牛窪敏博氏(大阪市浪速区)氏の指導のもと、山本信一氏(兵庫県宝塚市)とともに『エンドの迷信と真実』(仮題)を執筆している。 「よく『エビデンスが大事』『文献を読もう』といいますが、読んだだけでは机上の空論になってしまうことが往々にしてあります。エビデンスは臨床とリンクしてこそ意味があるのです。このレビュー集では、臨床に必ず役立てることができるように、エビデンスを噛み砕いて解説するように心がけています」 そんな神戸氏だが、「単にHow toだけのエビデンスを紹介するつもりはない」という。読者の歯科医師が、この先10年、20年と歩み続けていく上での地盤が固まるようなレビュー集に仕上げる――これが執筆チームのモットーだ。 「現在のところ、当医院へのニーズの多くは再根管治療にあります。再根管治療の難易度は高く、専門医でも容易でない症例もあります。しかし、イニシャルトリートメント(初回根管治療)であれば成功率はグンと上がります。私たちがまとめているレビュー集では、『歯の保存にどう向き合うか』のみならず、『専門医との効果的な連携のしかた』など、エンドを取り巻く真実に迫りたいと思っています」 また開業当初から、セカンドオピニオンを求めて来院する患者も多いという。神戸氏は、「患者は納得を求めている」と強く感じるそうだ。 「『歯科医師は、患者にとっていちばんわかりやすい科学者であれ』とよく言われます。たとえデンタルエックス線写真1枚であっても、科学的なことを噛み砕きながら説明することこそが、患者の安心につながるのです。このレビュー集で紹介するエビデンスは、整合性ある患者さんへの説明にも活用できるよう、工夫しています」 『エンドの迷信と真実』、実に楽しみな一冊である。

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