デンタルアドクロニクル 2015
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38 特別対談「歯科医療領域の拡大」に、歯科界全体が歩調を合わせて取り組もう茂久田 日本の歯科医療の進むべき方向、歯科医療研究の重点ポイントは何かといったことについて、まずは日本歯科医学会会長として、住友先生のお考えをうかがいたいのですが……。住友 日本における医科・歯科二元論の下で、いかにシームレスな医療を人びとに提供するかが重要です。そこから医科・歯科連携の必要性が出てくるのです。ここで人びとといいましたのは、グローバル化に伴って自国民という概念ではなくなってきたからです。 医科・歯科二元論の医科と歯科が別物という概念を変えなければなりません。「ここまでが医科」「ここまでが歯科」という垣根を取り払う努力が大事ですね。日本の歯科医療の幅の広さをよく認識し、くぼみになっている部分、つまり医療サービスができていないところ、たとえば摂食嚥下のリハビリテーションなどは、歯科が積極的にかかわる分野でしょう。歯科から医科に対して情報提供をし、医科から社会に向けて発信してもらうことでうまくいくように思っています。 そのためには、医科の発想をよく理解する必要があります。具体的には、歯科サイドが医科との付き合いを増やすことであり、医科との共通言語を学習し、くぼみの部分の研究を重点テーマとする必要があります。 これは、単に歯科における隣接医学の重要性をいっているのではなく、これまでに取り組んできた歯科医学を、医科の中に浸透・理解させる方略が必要なのです。その意味からも、摂食嚥下のリハビリテーションなど「超高齢社会の医療」はよいお題目となります。茂久田 そうした歯科医療の大きな潮流の中で、私たちのような輸入商社の果たすべき役割・考え方はいかにあるべきでしょうか。住友先生としてはどんなことを期待されているのでしょうか?住友 歯科界としてみなさんが歩調を合わせるためには、どこがこれからのテーマの発信組織であるかの認識が重要です。はっきり申し上げると、それは日本歯科医学会であり、政策集団の日本歯科医師会なんです。 輸入商社・メーカーのみなさんも、学術大会やデンタルショーに出た際に、さまざまな講演を聞いていると思いますが、自分の会社の製品に関する発表を中心に聞いている節が多々見受けられます。自社の製品と関係なくても、異なる分野の講演を聞いてもいいのではないですか。必ず何かのヒントになるはずです。 研究室や診療室を訪ねて得られる情報も大切ですが、社員の1人ひとりが「日本の歯科医療の進むべき方向性、歯科医学・医療研究の重点項目は何か」などについて、幅広い学習のできる環境をつくることも重要です。発信組織に依頼して、意見交換ができる場を持つ必要もあるでしょう。茂久田 神戸市がポートアイランドに医療産業都市という特区をつくって16年になりますが、メーカーが日本と外国から300社集まり、世界中でここにしかない専門的な病院がたくさん稼働しています。手術室を持たないMI低侵襲のがん医療センターや、生体肝移植に特化した病院など、非常に特徴がわかりやすくてユニークです。そのうえ、ほとんどのケースが保険治療でまかなえるそうです。 今後は、歯科でも「歯科医院です」というだけではなくて、「私はこういうことが得意です。このお悩みをすぐに解決できます」と、堂々と自分の特長をアピールし、そこを目指して世界これからの歯科医療領域はどこを目指して進むのか?住友 雅人 日本歯科医学会 会長茂久田 篤 株式会社茂久田商会 代表取締役社長住友 雅人日本歯科医学会 会長

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