デンタルアドクロニクル 2015
44/180

42 座談会CAD/CAMは進化し続ける歯科医療の中核となった茂久田 近年、歯科医療は著しい進展を見せ、CTとCAD/CAMにより、口腔内と補綴物をデジタル数値化して、確実に予測と再現ができるようになりましたが……。草間 CAD/CAMは、補綴修復物の製作工程から始まり、今やインプラントのシミュレーション、アライン矯正、デンチャー作製まで実用化されています。今後はチェアサイドとラボとのコミュニケーションが、模型からデジタルデータに代わります。技工指示書やさまざまな書類についてもデジタル認証の可能性が具現化すれば、完成した修復物以外はデリバリーの必要がなくなり、スピーディになると思います。 これからは電子カルテとも統合されて、歯科医療体系を抜本的に変えていく中心的な役割を担うと考えています。スタディーモデルをとったら今までは石膏模型を保管していましたが、バーチャルモデルであれば、カルテに貼り付けることも可能になります。大阪大学ではレントゲンのデータなどとともに、電子カルテへの貼り付けへの取り組みを検討し始めています。茂久田 設計と製作に限らず、今後は診査診断にも用途が広がっていくことになりますか。草間 CTとCAD/CAMのデータ、またジョーモーションデバイスやフェイススキャンを統合した高機能のバーチャル咬合器は、咬合圧の有限要素法解析までできるようになります。また、矯正や顎顔面外科のシミュレーションや診断は、さらに進化していくでしょう。日本歯科大学が進めているアンドロイドペイシェントのように、ロボット技術とCAD/CAMの技術をコラボレーションする分野も、リアルになってきました。矢野 教育分野も重要です。歯科大学の学生は、患者さんに触れる機会が少なくなっています。それをバーチャルペイシェントの、デジタルデータ・CAD/CAMデータで学んでいくようにするのです。 チューリッヒ大学では、4年生のときに1年間、CAD/CAMを学び、卒業してすぐにCAD/CAMで臨床ができるまで習熟しています。自動化がすすんでも、重要な手作業は残るMOKUDAの果たす役割がここにある茂久田 歯牙形成を評価するプレップチェックなどのソフトが登場し、今までは人間が手指感覚的に教えていたところから、デジタルでは「あと0.3㎜削りましょう」と数値的なシステム化がすすんでいます。矢野 東京医科歯科大学の和泉教授・新田准教授と私の3人で、ケルン大学など、デジタルデータを使った歯科教育、診療をどうすすめているのかを海外視察した時期がありました。 チューリッヒ大学に倣って、東京医科歯科大学の研修医にもCAD/CAMのトレーニングが始まり、今年度はすでに全員が研修を終えました。今や、CAD/CAMは歯科教育と医療の中核に入ってきたといえるでしょうね。ただし、私は、CAD/CAMの完全な仕上げには、人間の手技が欠かせないと考えています。草間 形成、接着、メインテナンスなど、人間にしかできない従来の医療は、治療の成果を得るにあたり引き続き大きな比重を占めます。その中で、MOKUDAの製品は、いつも私たちをサポートしてくれていると感じます。茂久田 MOKUDAスタッフは、技術機械化・電子化により歯科医療はどう進化するか?草間 幸夫 一般社団法人 日本臨床歯科CADCAM学会(元JSCAD)会長矢野 章 一般社団法人 日本臨床歯科CADCAM学会(元JSCAD)監事茂久田 篤 株式会社茂久田商会 代表取締役社長草間 幸夫一般社団法人日本臨床歯科CADCAM学会会長

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です