デンタルアドクロニクル 2015
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45機械化・電子化により歯科医療はどう進化するか?メタルボンドという修復レベルで考えるのであれば、日本人が一番キレイで上手だと思っています。こだわった形成をしたり、細かな印象をとったりする正確さにおいても日本人はすごく優れているなと思います。ペリオの立場からすると、かつての補綴材料には歯肉が下がってしまったり、ブラックマージンが生じたり、さまざまな問題がありましたが、セラミック修復であれば、歯肉に対しての為害性が非常に少ないですね。 「プラークコントロールが大事」といいますが、プラークの付着率も、補綴物の中ではセラミックが一番少ない材料として認識されています。できるだけCAD/CAMで使われているような、滑沢なプラークのつかない材料を使う治療によって、患者さんの健康面がトータルで上がっていくでしょう。茂久田 今後は、機械と人間の手による匠の技との協調によって、両方が進化していくということになる……。草間 メーカーの垣根を越えて、CAD/CAMがオープンシステム化することによって、ハードも、ソフトも、マテリアルもさらにスピーディに発展していきます。とくに、マテリアルはシンタードメタル、新しいハイブリッド、e.maxマルチカラーのように、審美性でも、強度でも、どこまで進むか予想ができないくらいです。私たちの学会からは、たくさん出てくる新しいマテリアルについて、どう使うべきか臨床の先生方にコンセンサスを伝えていきたいと考えています。茂久田 CAD/CAMは、患者さんにとって、ドクターを救世主や神様のように高められる、最後の切り札だと考えています。 なぜかと申しますと、「8020運動」の成功によって、国民全員の歯が高齢者にいたるまで、劇的に残せるようになりました。これにあわせて、今まで想定されていなかった新しい問題が発生しているからです。歯の寿命が延び、歯を使う期間もぐんと延びたために、エロージョンや咬耗、顎関節症といった、新しい疾患がたくさん生まれつつあります。 ここに対応できるのがCAD/CAMです。今までできなかった、全顎的な咬合改善と補綴設計、そしてその長期維持がアッという間に完了できます。 全歯を一度にスキャンしデータ化して、咬合もシミュレーションして、歯を削らずにオンレーで張り足したり、審美的なベニアで補綴することで、これまでは難しかった患者さんの全顎的な補綴の完了と、力のコントロールによるペリオの予防と、歯の喪失を防ぐことが、一日で完成できると思うんです。患者さんにとって、残った歯が一生噛めて使えて、トラブルがなくなる治療ができるのは、CAD/CAM治療の恩恵ですね。 技工士さんにとっても、ミリングをはじめとする職人的なやりがいのある仕事だけが残って、大量の単純な機械的作業が減ることで、スタッフ全員の意識が向上し、歯科界が変わってくると思います。 最後に、歯科医療がどんどん進展する中で、MOKUDAに、どのような役割を期待されているのか、アドバイスをいただきたいのですが……。MOKUDAは世界中のマテリアル・器材を改良選別して提供する矢野 IDSに行きますと、世界中の歯科商品が展示されています。今まで見たこともないようなバーや、器材と出会います。ただ、全会場を歩いて1つひとつ見つけるのは、私たちには至難のわざなんですね。 MOKUDAさんが私たちの代わりに調査とセレクションを行っていただけるのは、非常にありがたいことです。茂久田 2年間にわたってうかがった、教授やドクターからのお悩みを解決するために、2年に一度のIDSを最大限に活用しています。 普段から、海外の文献に接し、世界中の学会を聴講して、世界中の展示会場をリサーチすることで、未来へ向かう最新の情報を日々アップデートしています。日本人の手技にあわせた製品改良を、ドイツ・アメリカ・世界中のメーカーに認めさせてドクターに「これを待っていたんだよ!」と喜んでいただけることが、私たちにとって最高の幸せですね。矢野 日本のメーカーは、どうしても保険適用という基準で、「予算の範囲内で作製している」という感じがあり、何を目指して開発されたのか、どのレベルを目標としているかが、わかりづらいことが多いですね。 MOKUDAさんは、そこからさらに高品質な、自由診療の器材に特化していただいているという高い評価をしています。その自由診療に耐え得る製品を供給してくれている、貴重なメンバーの集合体だという想いはすごく強いですね。茂久田 ありがとうございました。MOKUDAは、全社員が歯科医療にたずさわる全スタッフと患者さんのために役立つよう、臨床現場で困っておられることを正確に持ち帰り、世界中の選りすぐり製品の中から日本人向けにカスタマイズして、問題解決に役立つ使いやすいものを、これからも素早くリターンしてまいります。茂久田 篤株式会社茂久田商会 代表取締役社長

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