デンタルアドクロニクル 2016
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132132特別対談わると、あらかじめ溶剤での洗浄サイクルで主な製造工程残留物を除去した後、コールドプラズマによってインプラントを洗浄します。いわゆる“原子サンドブラスト”することにより、有機汚染物質を完全に除去でき、洗浄による残留物が残らず、インプラントの濡れ性が向上するわけです(図2)。Sweden & Martinaインプラントはすべて、このコールドプラズマ洗浄処理が施された後、私たちに提供されているわけです。瀬田なるほど。プラズマ洗浄を行うことで、臨床的にどのようなことが期待できるのでしょうか。高橋プラズマ洗浄の効果としては、親水性の向上、組織再生の促進、粘膜治癒期間の短縮などが挙げられます。 また、小型のプラズマ洗浄器“Plasma R”が大信貿易株式会社から販売されています(図3)。アバットメントや各種補綴物などにもこのプラズマ洗浄処理を行うことで、セメント合着における接着力の向上、アバットメントスクリューの緩み防止、また、細胞の活性化による線維芽細胞の付着の促進など、歯科においては新しい分野として、現在非常に注目を浴びています。めているのでしょうか?高橋インプラント表面の親水性を向上させる方法としては、水酸化処理、フッ化処理などが知られていますが、Sweden & Martina社では、コールドプラズマ洗浄処理を施すことによって、インプラント表面の親水性を向上させることに成功しています。瀬田コールドプラズマ洗浄によって表面親水性が向上するとは、具体的にどのような処理が施されているのですか?   インプラントの表面処理が終1.インプラント表面に劇的な親水性向上を図る、Sweden & Martinaコールドプラズマ洗浄処理とは?高橋現在、日本国内で使用できる親水性表面性状を有する数少ないインプラントシステムに、Sweden & Martinaがあります(図1)。ベースとなるインプラント表面はZirTi表面と呼ばれ、Zirconiaによってブラストされた、SLA表面とほぼ等しい表面粗さを有しています。瀬田Sweden & Martinaインプラントは、どのようにして親水性を高Sweden & Martina:コールドプラズマ洗浄処理による親水性インプラント表面のテクノロジーNewton-1に続く新製品:ラボトルクドライバとトルクラチェットレンチの有効性インプラント臨床に革新高橋恭久(Yukihisa Takahashi)1998年 日本歯科大学大学院卒業 歯学博士2002年 ITI スカラー留学 アメリカ・コネチカット大学ヘルスセンター補綴科2005年 ITI ワールドシンポジウム ドイツ ミュンヘン大会Award 受賞2009年~鶴見大学歯学部口腔顎顔面インプラント科非常勤講師2010年~韓国 Kyung Hee 大学顎顔面口腔インプラント科非常勤講師AOS Japan最高顧問/日本歯科先端技術研究所会員/日本口腔インプラント学会会員/日本顎顔面インプラント学会会員瀬田寿樹(Toshiki Seta)1993年 東邦歯科医療専門学校卒業1997年 ロスアンゼルス UCLA ラボラトリー研修2008年 スイスCM社公認インストラクター取得2010年 株式会社Vogue設立株式会社Vogue代表取締役/スイスCM社公認インストラクター/スイスCM社認定ラボ/ドイツWIELAND社 認定ラボ/東京SJCD会員/IPD JAPAN会長/関東歯科臨床研修会会長/AOSメンバー/ITIメンバー特別対談高橋図1 現在、国内で承認されているSweden & Martinaインプラント(プレミアムインプラント)。図2 アルゴンのコールドプラズマによる表面の洗浄。有機汚染物質を完全に除去でき、洗浄による残留物が残らず、インプラントの濡れ性が向上する。図3 チェアサイド型の洗浄器・Sweden & Martina Plasma R。132

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