デンタルアドクロニクル 2016
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66 特別座談会来院した症例を提示します。患者さんは初診時77歳の男性で、現在は95歳になられました。80代の患者さんにどのような治療を行うかというと、やはりケアが主体になります。当時からお元気でしたので、抜歯なども行える部位から通常どおり行っています。現在は耳が遠くなられたものの、メインテナンスへは歩いて来院されます。奥様も90歳でご健在です。今後はこのような患者さんが増えると思っています。今里 前から先生にお聞きしたいと思っていたのですが、私は根面う蝕に興味があって以前から研究をしていまして、現在も、根面う蝕予防のための材料を開発したいと思っています。根面はエナメル質よりも耐酸性が低く、すぐに脱灰を起こしてしまいます。Filling Freeでエナメル質を守るということを長らくやられていて、同時に根面う蝕の発症リスクも下げることができているといった臨床実感はおありでしょうか?杉山 根面う蝕から守るには歯肉が下がらない、根面が露出しないようにするのが1番の予防策と考えています。今里 生理的にも歯肉は下がってしまいますから、高齢の患者さんが増えてくるということは、根面う蝕のリスクも上がっていることになりますよね。そのようなこともあって、根面う蝕を予防する材料の必要性を強く感じています。安田 希望がでましたね。歯頸部の問題は咬み合わせもありますよね。クレンチングなどでエナメル質が若干欠けているといった状況を目にすることがあります。 それでは3番目に関先生お願いします。小児歯科の視点から関 私は小児歯科の臨床をテーマにお話しさせていただきます。一般開業医にとってできれば避けたいのが子どもの治療であるようです。その理由としては、大きく3つに分けられると思います。「泣くから面倒だ!」、「口を開けないので時間がかかる!(診療ができない)」、「保険点数が低い!」です。では子どもはなぜ泣くのでしょう。一番大切なことは、子どもにおけるその時の心理状態を理解してあげることだと思います。そのなかで泣いてしまう原因として「不安や恐怖で泣く」、「甘えて泣く」、「痛くて泣く」、「苦しくて泣く」の4つがあげられます。対応法としては「子どもの目線に立って優しく接する」、「つぎに何をするのかをわかりやすく説明する」、「絶対にうそをつかない」、「痛くしない」、「できたことを褒めてあげる」等の行動変容法があるでしょう。行動変容法には「ボイスコントロール」、「TSD(tell-show-do)」、「10カウント」、「オペラント条件付け」、「トークンエコノミー」などがあります。 最近は来院する患者さんの年齢が少しずつ低くなってきています。乳歯が萌出したらすぐに来院というパターンも珍しくありません。これは一緒に付き添って来院する保護者のタイプに影響されているようです。たとえば「完璧主義をめざしている母親」、「自分の経験から子どもに対して予防処置などやれることはしてあげたい」、「治療はしてほしいけれどその後の予防処置はどちらでもよい」、「明らかなう蝕など母親が気になっているところのみ治療してほしい」、「保育園や幼稚園、小学校から治療を指示されて仕方なく来院する」、といったようにそのタイプはさまざまですが、「母親(父親)の心理状態を考慮して接してあげる」、「わかりやすく治療内容を説明する」、「子どもを褒めるように話をする」、「子どもに対して決して嘘をつかない」、「実現フッ素徐放性コンポジットレジンビューティフィル E ポステリアフッ素徐放性ボンディング材フルオロボンドⅡビューティフィルフローフルオロボンドシェイクワンビューティフィルⅡレジン支台築造システムビューティコアキットEXビューティフィルフロープラスレジン系仮封材PRGプロテクトシールビューティフィルオペーカー自己接着性レジンセメントビューティセムSAビューティフィルバルク接着性レジンセメントレジセムビューティフィルバルクフローフッ素徐放性仮着セメントIPテンプセメントビューティフィルネクストフッ素徐放性光重合型小窩裂溝封鎖材ビューティシーラント知覚過敏抑制剤フッ素徐放性歯面コーティング材PRGバリアコートフッ素徐放性歯面コーティング材ビューティコート光重合型矯正用接着剤ビューティボンド/ビューティオーソボンドⅡ機能性材料群“Giomer”製品一覧。

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