デンタルアドクロニクル 2017
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  先生の代わりにメーカーから  患者さんへできることは?3岡口●いまエンドへの関心が高まっていますが、ラバーダム防湿の際に、ロエコのフレキシダムやプラスチックフレームなどはいつも愛用しています。ラバーダムはいまだに普及率が低い現状でありますが、ラバーダムをすることで根管治療の精度が上がり、より良好な結果が得られるのは間違いありません。今のインターネット社会においては、患者さんも事前にいろいろと歯科の情報を集めて医院を選ぶ時代になっていて、今まで以上に安全・安心な医療を求めている傾向があると思います。今後、「きちんとラバーダムをしているかどうか」を医院の選択基準にする患者さんも増えるでしょうね。茂久田●としましても、患者さんにより安全に使っていただける製品と情報をあわせて今後も提供しつづけることで、医院の信頼と患者さんの健康とをともに高めてまいります。 特別座談会古谷野●茂久田社長は先ほど「患者さんに正しい情報を伝えていきたい」と言われましたが、さんとして患者さんに対してどのようにかかわっていきたいとお考えですか。茂久田●私どもは、患者さんに直接医療を施すことはできませんが、「メーカーとして、患者さんに何をできるか」つねに考えています。 信頼性のある、必ず安全性が担保される製品を見つけたあと、それをさらに改良して先生方にお届けすることにこだわり続けています。その基準は、『10年間モデルチェンジなし』。たとえば、バイオブレンド人工歯は60年間モデルチェンジなしでもバリバリの現役で愛用されています。中田●さんの製品はロングセラーのものがたくさんありますよね。茂久田●ありがとうございます。仮封用レジンの「DuraSeal(デュラシール)」は発売して40年で、何の改良も必要としないベストセラーです。ZIPPERER(ジッペラー)社のリーマーやファイルも65年以上、ハンドルを金属からプラスチックに変えた程度で、素材もつくり方も当時のままという完成された品々です。瀧野●どれも多くの先生が愛用しつづけている製品ですね。茂久田●患者さんの口腔に直接触れるものであるからこそ、「一番いいものだけを妥協なしに届けること」が何より大切だと考えています。安全性を伝える私たちスタッフも、世界一だという自信をもっておすすめできることも信頼につながっています。10年モデルチェンジなしを厳選して新製品をたくさんつくっていれば、さらに30年、40年、先生とも患者さんとも一緒に歩むことができると思っています。岡口●さんが取り扱っている製品は本当に高品質だと日々感じています。私は、マーチン社の持針器を10年前から好んで使っています。先端が細く、本当に繊細なインスツルメンツで、それがないと私の顕微鏡下での縫合ができません。 海外の学会などに行った際、安いメーカーの製品を買って帰ってきたりすることがありましたが、使えないことが多いです。形は同じように見えますが、実際は金属の素材から異なっていて剛性感がまったく違うんです。細かなものをしっかり把持するには剛性が必要なんです。だから、長い目で見て、良いものを買うべきでしょう。古谷野●治療に使用する以上、信頼性のある製品を選ぶべきですね。岡口 守雄東京都開業 岡口歯科クリニック茂久田 篤株式会社茂久田商会 代表取締役社長日本歯科用品輸入協会長30

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