デンタルアドクロニクル 2017
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  自信を支える成功体験は  すぐそばにある5の形や色の再現が容易になりますし、なぜ天然歯と同調していないのか、その原因もはっきりわかるようになり、臨床が面白くなります。古谷野●先生方がいまおっしゃったように、人間が何か努力したら、それに見合う成果が得られることは、そもそも楽しみの一番基本形ですよね。その点、見方によっては、歯科という世界は宝の山かもしれません。 若い先生も、どこかで成功体験があるとよいですよね。研究でも治療でも「あれをやってよかった。楽しかった」という成功体験があると、「次も頑張ろう」となるわけです。岡口●成功体験もそうですが、また失敗体験も人の成長には必要ではないでしょうか。私はよく自分の失敗についても講演をします。皆さんもそうだと思いますが、日々臨床をしていれば、患者さんからのクレームだって当然ありますよね。そのときは、患者さんときちんと向き合うことが大切だと思います。そういう対応をしているうちに、長いお付き合いのできるいい患者さんになったりするものです。 いずれにしても、患者さんを中心に考えて、従来の既成概念にとらわれずに、患者さんに最善を尽くすことが必要なのでしょうね。古谷野●そうですね。歯科医療に携わるすべての人間が患者さんの方向を向くことが何より大切ですね。 特別座談会古谷野●今まで、一般臨床家の先生方は基本的にはすべての治療をご自身でこなしてきたと思います。「全部すごい」というスーパーGPが歯科医師の理想像かもしれませんが、エキスパートである先生方のように、「ここだけは絶対誰にも負けない」というものを若い方にめざしていただきたいですね。中田●私たちより上の世代の先生方には著名なスーパーGPの方が多いですよね。そのなかでも、自分の専門性をもつ、これだけは誰にも負けないという軸はあったほうがいいなと僕は思います。瀧野●そうですね。自分の得意分野をもつことで自信も生まれると思います。さんがそうですが、われわれ歯科医師をサポートしてくれるさまざまな製品があることもとても心強いものです。たとえばルーペや顕微鏡などの登場は拡大視野での治療を可能にし、今まで見えなかったものが見えるようになりましたし、製品の改良と術者の技術の向上により、今まで治せなかったものが治せるようになっています。患者さんを治せるやりがいをもつことができ、患者さんと喜びを共有できるのは嬉しいものです。 また、若い先生だけでなく、僕の同級生が40代から勉強し始めて生き生きしだしたりする姿をたくさん見ています。やはり知的好奇心はいくつになってもあるでしょうし、いくつになっても歯科の楽しさをまた再認識してもらえたらいいなと思っています。中田●歯科医師として、本当にやりがいのある時代になってきたと思います。歯を残すことに一生懸命になれるという状況はすばらしいことだと思います。外科医は、ルーペなどのいわゆる拡大視野での診療、拡大視野で手術することのアドバンテージを感じており、今までとは違う世界がみえてきました。若手の先生方も、その世界を体験してもらえたらと思います。茂久田●拡大鏡では、からハイネのルーペを多くの先生方にご愛用いただいています。ルーペを使うときに新しく必要になるグッズもひとまとめに高品質で用意できていますので、あわせてご活用いただいて、ぐっと成功を近づけてほしいですね。岡口●拡大視野下での治療を行っていくと、いろいろな発見があります。CRなどで肉眼では難しかった天然歯36

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