デンタルアドクロニクル 2017
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若いDrの成功体験を      が創る!  各分野のトップを支えて  皆様と 年先の未来を先取り古谷野●先ほど、若い先生は「これだけは誰にも絶対負けない」という専門分野をもつことが自信につながるという話がでましたが、僕には米国のロックフェラーセンターの中で開業している友人がいるんですね。そこは1フロアを「専門分野に特化したDDS」が24人くらいでオフィスシェアしていて、治療内容にあわせて患者さんをみんなで紹介し合うわけです。それをみて、「自分の本当に得意な分野だけで開業する」という形態もありなんだと思いました。分業として、「ここだけは得意な先生にやっていただこう」とか、苦手なところはリスクヘッジして専門家に見てもらうという体制ができたら、日本の歯科もだいぶ変わるでしょうね。岡口●専門分野に特化して診療していくためには、その体制づくりも必要だと思います。今までのように1時間に何人も患者さんを診るところから、1人の患者さんを十分時間をかけて診るという方向にシフトしていけば、日本の歯科医療も徐々に変わってくると思うんですね。若い先生も、そういう時代がくることを前提で開業形態を考えておく必要があると思います。瀧野●よく海外の学会に行ったり、海外の歯科医師の講演を目にする機会がありますが、やはり感じるのは日本の歯科医師の技術の高さです。先ほども話にでましたが、日本の歯科医師は基本的にはすべての治療を自分でこなしています。そのようななかで、「どうしてこれだけレベルの高い治療ができるのだ?」と海外の先生に驚かれることを経験しています。中田●日本の歯科医師がスーパーGPをめざすのではなく、はじめから得意分野に力を注いだらどれだけ高いレベルに至るかは推して量るべしですね。若い先生に今エンドがとても人気ですが、いろいろな製品が登場して、今まで以上に歯を残すことに一生懸命になれる、良い時代になったと感じます。岡口先生はエンドがご専門ですから顕微鏡を使用されていますが、僕ら外科医はマイクロスコープのみならずルーペによる拡大視野での診療、拡大視野で手術することでもアドバンテージを強く感じています。岡口●エンド領域では器材の発展がめざましいですよね。たとえばMTAの有用性は数多く報告されていて、さんの「MTAプラス」は臨床でよく使っています。このように新しいマテリアルが登場すると今まで救えなかった歯も残せるので、日本中の歯や歯髄の保存基準も高まることにつながります。 また、ロエコ社製の滅菌済みのバキュームチップ「サージチップ・エンド」を好んで使用しています。これはプラスチック製になっていて、ダイレクトで根管吸引できるのと、角度が変えられる点がいいなと思っています。瀧野●外科のときにも「サージチップ」は重宝しますね。岡口●それと、ハーネンクラットのミラーもおすすめです。二重像がなく、色もリアルで明るく、根管治療では暗い根尖孔などもはっきり見えます。茂久田●原材料の新開発から、加工技術の進歩に至るまで、すべての産業の恩恵を歯科は受けています。 私たちは他業界企業ともコンタクトして世界中の動向を持ちかえり、先生方からのリクエストとマッチングさせて、時代を先どる10年選手をこれからもたくさん生んでまいりたいと考えています。810!45

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