デンタルアドクロニクル 2017
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69CROSS TALK Part 1Shaping the Future of Esthetics険診療でカバーされていますが、これは今後拡大されていくと思います。 ジルコニアは強度も高く、加工もしやすい材料です。なおかつ、昔は本当に白い金属と言われるくらい真っ白だったのですが、現在では透明感をもたせて歯と同じような色が出せるところまできています。釈 見せていただいたサンプル(マルチレイヤーのジルコニアで加工されたクラウン)も、ちょうど根本から色がグラデーションしていて自然ですものね。山﨑 まさにこのグラデーションの技術がクラレノリタケデンタルの強みですね。有川 ありがとうございます。これは弊社がかなり推している技術でもありますから。釈 先生もお使いになられているのですか?山﨑 ほとんどこれですね。先ほどコンピューターでシミュレーションをすることができるようになったとお話ししましたが、そのデータの通りにこのグラデーションブロックを削るだけで歯と同じような形・色になるのです。なおかつ、単一だから壊れにくいという利点もあります。釈 なるほど。山﨑 そういう意味で、現状これが世界を席巻しつつありますね。釈 これで治療するとしたら、どのくらいの期間がかかるのですか?山﨑 今だったら、根の治療などが完遂している状態で、冠を作るだけであれば1ヵ月以内ですね。釈 そんなに早いのですね。根の治療というのは神経を全部取ってしまうわけではないのですよね?山﨑 なるべく神経があったほうが良いですね。神経のない歯と神経のある歯ではかなり成功率は違いますから。 あとは360°歯を削って冠を被せるというテクニックはあまりしなくなってきています。釈 ラミネートですか?山﨑 ラミネートです。ラミネートはさまざまな視点から研究開発されてきたことで、接着をしっかりとすれば強いということがわかってきたのです。それでいてきれいになりますから。私の歯科医院でもそういった治療が多いですね。釈 そうなのですか。ラミネートは外れやすいというイメージがあったのですが……。山﨑 いや、そんなことはないです。クラレノリタケデンタルの接着材を使えば(笑)。有川 ありがとうございます。クラレノリタケデンタルの、ノリタケというのは陶材・陶器が主なのですが、クラレは樹脂が中心で、中でもわれわれが特に強いのは接着材になります。そしてここ何年か、たとえば30年間で歯科の中でもっとも技術が発達したのは何かといえば、おそらく私は接着技術ではないかと考えています。山﨑 そのとおりですね。有川 ありがとうございます。本当に接着技術が向上したことで、大きく歯の寿命が変わってきたと思いますね。ハッピーな人生は口元の美しさから有川 最後に、本日の感想をお聞きできればと思います。まずは釈さんからお話しいただけますか。釈 そうですね。私は普段から、歯に対してすごく興味をもっていたのですけれど、今日先生から最新の技術を伺えて、ますますこれからもメインテナンスしてきれいでいたいなと思いました。有川 ありがとうございます。では山﨑先生はいかがでしょうか。山﨑 私は口元を押さえて一生過ごすのはかわいそうだと思うのですよね。自分がハッピーな笑顔で生活を送りたいのであれば、やはりまず口元を美しくすることが重要だと思います。そして、もっともっと日本人が自分の口腔の管理について自覚して欲しいと思います。有川 本日は本当にありがとうございました。

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