デンタルアドクロニクル 2018
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Dentsply Sirona × 飯田吉郎  巻頭特集2123内スキャナーの活用が挙げられます。 私はCEREC Omnicamで光学印象を採ったデータをシムプラントに直接落とし込んで、サージカルガイドを製作できるということで、その誤差がどの程度なのかを調べ、検証してみようと考えました。 まず、①スタディモデルをinEOS X5でスキャニングしたデータ、②デンツプライシロナ社のデジタルインプラント ソリューションに関連する製品の国内製造拠点である「デジタル デンタル ソリューション センター 東京(DDSC-Tokyo)」にスタディモデルを送りそこでスキャニングしたデータ、③院内で患者の口腔内をCEREC Omnicamでスキャニングしたデータ――それぞれ同じDICOMデータとマッチングさせて3種類のシムプラントガイドを製作しました(図5)。 詳細なデータを取っているわけではありませんが、臨床実感としてはCEREC Omnicamでスキャニングしたデジタルデータで製作したシムプラントガイドが明らかに高精度ですし、フィット感もよかったです(図6)。それも”バチッ”とはまるわけですよ。この結果から、やはり模型や印象の誤差が想像以上にあるというのを実感しています。 したがって、デジタルデンティストリーがさらに進化するためには、先ほど述べたように効果的なデジタルデータの連携・活用が鍵となります。――今後、口腔内スキャナーの精度が向上し、比較的簡単なトレーニングを重ねることでだれでも平均的な結果が出せるようになれば、ますます普及していくでしょうね。飯田:たとえば、矯正歯科領域において普及していくことは間違いないでしょう。実際に、デジタル印象によってインビザライン・システム(アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社)のような矯正治療が成り立っています。シリコンのフルマウス印象採得は、経験の豊富な歯科医師であっても簡単なことではありません。とくに矯正専門の先生方は慣れていないと思いますし、CEREC Omnicamはとても簡便ですので、矯正歯科医にとってはたいへん有益な製品だと思います。 ――デジタル化は、今後ますます歯科界に普及していくと思われますので、ユーザーはもとより歯科企業においてもその流れに対応していくことが求められます。最後に、デンツプライシロナ社へのメッセージをお願いします。飯田:デジタルを活用することで作業効率や生産性はもちろんのこと、患者さんに提供する歯科医療の安全性や正確性も上がっていきます。歯科医療においてもデジタルを上手に活用する時代が到来していると感じています。 デンツプライシロナ社は、その分野のリーディングカンパニーとして世界の歯科市場を牽引し続けていただきたいと思っています。またトータルソリューションカンパニーとしての利点を生かして、アナログからデジタルにシフトできる材料や製品は積極的に変えていってほしいと、いちユーザーとして願っています。――本日はありがとうございました。図5 デジタル技術を活用して製作されたインプラント用サージカルガイド。図6 シムプラントセーフガイド適合試験。

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