デンタルアドクロニクル 2019
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101JAID クインテッセンス出版の佐々木一高会長にはわれわれJAIDの拙書であるオーラル・インプラント・リハビリテーションシリーズを3巻、英語版を1巻出版するまで本当に温かいご支援をいただき感謝の言葉しかない。今までの支援に応えられるように、日本で行っている治療内容をベルリンにて発表するにあたり全力で取り組んだ。 ベルリンには森 鴎外の学んだベルリン大学があり、彼が下宿したアパートメントが今も保存されている。かつて、大志を抱いた多くの日本人がベルリンに留学していたのである。彼は言う「一行りでも一字でも調べていくのが自分の生命だ」と。当時、日本人留学生は、1時間勉強しなければ日本は1年遅れる、と猛然と勉強していたと聞いている。彼らは異国の地で助け合い、まさに命がけで学問技術の習得に励んだのだ。 20数年前にたった2人で始めた「世界での学び」の第1歩であったが、今ではわれわれJAIDの多くの仲間とともに学ぶことができる。鴎外は言う。「げに東に還(かえ)る、今は我は西に(いずれは日本に帰国するが、今はベルリンにて勉強に励む)」。若い先生方には、仲間とともに研鑽し、自由でダイナミックに広がる世界へと、羽ばたいて欲しい。 最後に、今回の記念大会に参加して、ともに学んだJAIDの脇田雅文、落合久彦、大槻克彦、新保城一、野苅家清、長谷川孝、村松弘康、長尾龍典、安岡大志、石井佑典、斎藤和重、藤田 裕の各先生方、ならびに中屋和久氏に感謝申し上げます。(JAID顧問 五十嵐 一)ベルリンに残る鴎外の名。鴎外の学んだベルリン大学前の鴎外記念館では、鴎外の足跡を見ることができる。記念大会に参加して共に学んだJAIDの先生方とともに。森鴎外ら日本人留学生の写真。

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