デンタルアドクロニクル 2019
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特別座談会対する、最新の対策や推薦情報を、さんから是非教えて欲しいんです。茂久田そうなのですね【 COLLECTION 45ページ】。根面う蝕は、力のコントロールの不足による、楔形欠損にも原因があるのでしょうか?奥野下野先生、月星先生の著書にも、「セメント質剥離」が高齢の患者の切歯に好発するということが書かれています。力によりマイクロクラックが入って、そこから根面う蝕が進んでいくこともありますが、多くは、清掃状態が悪いから起こるように感じています。認知症と 口腔内崩壊月星私の母が今年2月に亡くなったんですけれども、最後はずっと施設に入っていました。認知症のため、頻繁に家族が行って歯を磨いてあげるんだけれども、せいぜい1週間に4回ぐらいですよね。認知症になると甘いものを食べるようになるんです。おまんじゅうをいくつもね。ですが、朝ご飯を食べたあと誰が磨いたのか? 夜はいつ磨いたのか?がわかりません。認知症になってしまうと根面などのう蝕を防ぎようがないんですよ。家族が付きっきりで磨いてあげればいいけれども、たぶん無理です。 1つ言えるのは、無髄歯より有髄歯のほうがう蝕になりにくいということ。だから、まず抜髄しないことなんですよね。 20年、30年と長年メインテナンスに来ている人でも、認知症になると、別人のように口腔内が崩壊していくんですよ。僕に何かできるかというと、申し訳ないんですけれども、これを止められるのは付きっきりで面倒を見ることができる家族だけ。他の方には無理だと思うんです。最後まで 残った歯は インプラント!?月星通説と逆のことを言いますと、私の母のお口の中で最後まで残った歯はインプラントなんです。天然歯はみんな根面う蝕で、ボロボロでした。最後まで母が食べることができたのはインプラントのおかげ。今まで、超高齢社会にインプラントが増えたら困ると言っていませんでした? 母に関して言わせていただければ、むしろ真逆ですよ。 インプラントになればう蝕はゼロですからね、ペリインプランタイティスにはなっても。でも、母に関しては、天然歯のほうがペリオに対しても弱かったです。 たとえば「サホライド」(フッ化ジアンミン銀:う蝕の進行抑制剤)が今注目されていますね(■7で後述)。世界中でブー図2a 「デタシール・ファンクション」(デタックス社、)を用いた上顎ボーダーモールディング。筋の機能圧を反映した辺縁形態と粘膜印象が得られる。図2b ハンドリングの良いシリコーンで、硬化もゆっくりであるため、垂れることなく細部にいきわたりやすい。図2c 咬合床を用いた最終印象に応用した。→ COLLECTION 42ページ参照cab44

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