デンタルアドクロニクル 2019
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60クラレ ノリタケ デンタル株式会社たのです。それで、アナウンサーになるということであればと、家族からも勧められて矯正治療を行うことになりました。山﨑 不正咬合だと、きれいな発音ができないものね。平井 はい。あとは、やはりテレビのアナウンサーの場合、歯や歯並びは視聴者の方が気になってしまうというところもありますので、見えるところに気を遣う方は多いと思います。山﨑 そうですよね。私はほとんどテレビを見ないのですが、テレビを見たときに何を見ているのかといったら歯を見ていますからね(笑)。そして、歯を見ると、その人の社会的背景が分かってしまう。「ああ、この人はこんな歯で平気なのだ」と思うと、もうそれだけですごく失望してしまいます。平井 先生にとって、人をみるときの基準なのですね。先生からご覧になって私の歯はいかがですか?山﨑 もっとも美しい歯の並び方としてゴールデンプロポーションというものがあるのですが、それを基準にすると中切歯がちょっと長いかなとは思います。ですが、それは個性ですし、良いと思いますよ。平井 なるほど。では、なぜ治さなかったのだと思うほどのことではないと(笑)。山﨑 いや、それは美しい歯並びの人に、プロの目線から敢えて言わせてもらっただけですから(笑)。平井 あとは、歯並びが発音に与える影響はどのようなものなのでしょうか?山﨑 ほとんどすべてに影響すると思います。たとえば、上顎が出ていて、下顎が小さい場合は隙間ができてしまい、発音では「サ、シ、ス、セ、ソ」が上手く発音できなくなってしまいます。これはアナウンサーだと致命的じゃないですか?平井 そうですね。ああ、でも私、サ行がちょっと弱いのです。山﨑 それはおそらく、先ほども話したように上顎の歯列に対して下顎の歯列が小さいからでしょうね。平井 でも、その弱点を自分で分かっていればそこを強化できるので、そういうのも知りたかったです。先生、もっと早く出会ってくれていれば(笑)。山﨑 でもプロのアナウンサーであれば、そこは克服していかなければまずいのではないですか?平井 そうですね。サ行の練習だったり、サ行が入るところはちょっと気をつけて読んだりはしていました。山﨑 やはりアナウンサーにとって口腔はすごく重要ですよね。本当に今日は良いゲストを呼んでいただいたと思います。口腔衛生への関心の高まり有川 平井さんは昨年ご出産されたのでしたね。平井 そうなのです。お聞きしたいのですが、最近ですと、子どものころから歯医者さんに通わせるなど、より良いオーラルケアを子どもに受けさせようと動かれている親御さんが多い印象なのですがいかがでしょうか?山﨑 平井さんがおっしゃられている通り、日本中、特に都会を中心に口腔衛生に対する関心は高まってきています。実際、私が開業した当時は虫歯があるのが当たり前といった感じでしたが、現在では私の医院のある原宿・青山あたりですと、ほとんどの子どもに虫歯はないですよ。平井 虫歯ゼロの子どもを育てるためのアドバイスなどはありますか?山﨑 1つは食生活に気を遣うことだと思います。また、歯磨きやうがいをするという習慣づけもすごく大事です。おそらく平井さんも、子どもさんの歯が揃ってきたら、しっかりと歯磨きをさせるのではないかと思います。そういった風潮の中で、歯科医師としてビジネスモデルも以前とは変わってきていると思います。有川 オーラルケアが中心になっていくということでしょうか?山﨑 そうですね。次世代の歯科のビ

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