デンタルアドクロニクル 2019
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巻頭特集2  2019年歯科界大注目企業 アライン•テクノロジー•ジャパン株式会社 特集84ました。 また、治療に進むと「インビザライン・システム」の治療計画用ソフトウェア、クリンチェック(図4)の画面上で患者さまに治療計画の説明をすることができます。 マウスピース型歯列矯正装置を用いた場合と、既存の矯正治療装置を用いた場合の1患者あたりの第一期矯正治療にかかる時間を当院で比較した記録があります。 既存の矯正治療装置を用いた場合は495分でしたが、マウスピース型歯列矯正装置を用いた場合は315分までに短縮できました。治療計画の説明、試適、定期的な通院の時間などが既存の矯正治療装置を用いた場合よりも短縮できたためです。1患者あたりの治療時間短縮は患者さま本人や家族にとってはもちろんのこと、医院運営にとっても大きい利点です。デジタルを通じたコミュニケーション――iTeroエレメントとクリンチェック・ソフトウェアは貴院で過半数を占める未成年の患者さまにも好評でしょうか?賀久:はい。やはり彼らはデジタルネイティブの世代です。iTero エレメントがデジタルデータの活用によるコミュニケーションを可能にしたことで、それらの世代と良好なコミュニケーションがとれるようになっていると感じています。 iTeroエレメントでスキャンすると、アウトカム・シミュレーターですぐに矯正治療前後のイメージが可視化できるのは前述しました。また、コンプライアンスが悪いときは、プログレス・アセスメントを使って治療計画のモニタリングが行えます。治療計画の進捗状況がカラーコード化されますので、コンプライアンスの悪い患者さまに協力を依頼する際に、活用することも可能です(図5)。また、独自のタイム•ラプスは、矯正治療を開始してから歯がどのように移動しているか、歯肉の退縮、歯の摩耗はないかなど、時系列の変化を動画で説明できます(図6)。肉眼では確認しにくい動きでも、きちんとデジタル動画で変化を見せることができますから、患者さまの理解度が深まります。これらの機能が付加されていることで、患者さまの質問に対して適切な回答をするのに助かっています。治療開始後の良好なコミュニケーションにも貢献してくれています。 例えば、アウトカム・シミュレーターの結果は、メールで送付が可能です。患者さまはそのイメージ画像を自身のスマートフォンで見ることもできるのです。彼らにとって、スマートフォンはもはや生活と切り離せないものとなっています。そのスマートフォンとの高い親和性は治療の意欲維持においても役立っていると感じます。――先ほど、患者さまの過半数が未成年者と伺いました。それでは、その保護者に治療計画を納得させる必要がありますね?賀久:ええ。決して安くはない治療を行うわけです。当院では母親がお子様を連れて来院される場合が多いです。 患者さまの母親が子どものころに矯正治療で痛い思いをしている場合や、自身の今の歯並びに満足していない場合は、子どもにはそのような思いをさせたくないと考えていることでしょう。マウスピース矯正治療の評判などを聞き、魅力を感じていても、そのお子さまの父親、つまり自分の夫にも相談しないと決められないということもあります。 当院では最初にiTeroエレメントでスキャンして、アウトカム・シミュレーターで現在の歯列の状況、治療し図4 クリンチェック・ソフトウェア※はインビザライン・システム及びiGOシステムの治療計画の確認、変更指示承認を行うために使用でき、治療目標の達成を視覚的にサポートする。※一般名称・歯科矯正治療支援プログラム 承認番号23000BZX00197000、製造販売業者 アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社(許可番号13B2X10280)

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