キーワード解説：

　本用語には、大きく分けて以下の２種の用法がある。
（１）インプラント体に対してより小さい口径のアバットメントを使用し、インプラント体-アバットメント接合部周囲の骨吸収を防ぐためのテクニック。「プラットフォームスイッチング」あるいは「ホリゾンタルセットオフ」と同義語であるが、各メーカーによって呼称が異なっている。
（２）Nobel Biocare社が提唱する、インプラント周囲の軟組織を保護／増大させるためのテクニック。具体的には、同社のリプレイスセレクトインプラント-アバットメント間にアダプター（Adapter PS）を介在させ、インプラント体に対してより小さい口径のアバットメントを使用することをさす。同社は、これによって生じる空隙が軟組織の増大に役立つとしている。現在、Adapter PSには「Adapter PS RP-NP」および「Adapter PS WP-RP」の２種があり、それぞれRPプラットフォーム（φ4.3mm）のフィクスチャーにNPプラットフォーム（φ3.5mm）のアバットメントを、WPプラットフォーム（φ5.0mm）のフィクスチャーにRPプラットフォームのアバットメントを装着するよう設計されている。
なお、（２）に関するNobel社の資料に掲載されているエックス線写真には（１）を行ったものと近似した像がみられ、おそらく同様の効果も得られるものと考えられる。なお、Adapter PSおよびその周辺パーツは2007年11月の「QDT」掲載当時は日本国内で販売されていなかったが、2009年２月より認可・販売されている。