キーワード
キーワード解説:
小児の保健行動の変容と定着には、その年齢・発達段階と家族ぐるみの生活習慣・リズムが影響するため、小児の動機づけは、同時にその親への動機づけとなる必要がある。ここでいう動機づけには、保健指導という医療者が小児と親に行動変容を仕向ける外発的動機づけと、それがきっかけで小児と親がやる気になり、行動を変える内発的動機づけという2つのステップがある。これまでの行動科学の研究成果からみると、その人の行動の変容・維持には、本人の主観的評価がもっとも重要であり、その根底には自己決定に対する要求がある。生活習慣改善など長期的な対応が求められる場合には、恐怖の喚起や叱責などの対応ばかりでは短期的な効果にとどまり、行動変容につながらないことが多い。医療者側が動機づけを外発的動機づけのテクニックのみに関心をとどめるのではなく、保健指導が小児や親の内発的動機づけにどのような効果を及ぼすかに着目することが重要である。