キーワード
キーワード解説:
食育がクローズアップされる現代。おいしく食べられる口を守る歯科医師や歯科衛生士は、じつは食育のプロでもある。食べ物の正しい選択は、からだの健康だけでなく、健康なこころを作ることにもつながる。すでに昭和の初期に、「歯科医師は食物の良否を鑑別する義務と責任を有す(中原市五郎・日本歯科大学の創始者)」と述べられているように、歯科医師は栄養と食事指導を患者に対して行う義務を負っている。食物が体内に摂り込まれる入口は「口」であり、当然のことながら口の健常が保たれていなければ正しい食生活を維持することはできない。そのためには、ショ糖の摂り過ぎを警告する歯の健康指導のみならず、全身の免疫機能を支える栄養バランスの指導、また軟食傾向の強まる現代では噛む能力を維持するための献立指導など、歯科ならではのさまざまな食事指導が求められている。