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治療用義歯の役割

【読み】
ちりょうようぎしのやくわり
【英語】
the own weight of treatment dentures
【書籍】
診査・診断に基づく総義歯の臨床
【ページ】
305

キーワード解説

 総義歯製作前の診査・診断の結果により、治療用義歯によるイニシャルプレパレーションが必要になることもある。具体的には病的な床下粘膜組織を有する症例に対しては、治療用義歯を用いてティッシュコンディショナーによる粘膜調整を行う。歯槽骨の外科的改善処置が必要な症例に対しては、pre-surgical dentureとして創傷の保護、血腫形成の防止、機能回復に用いられる。また顎機能異常の症例に対しては、スプリントとして用いられる。心理面に問題が多い症例に対しては、より高度な診査・診断に役立つ診断義歯、あるいは本義歯の範となる水先案内義歯としても用いられるなど、優れた予後獲得のために治療用義歯の役割は広い。