キーワード解説：

創面に直角な血管の断端からの出血では、出血点(血溜まりの中心)と血管の断端の位置が一致しているので、これを止血鉗子の先端で正確に挟むことは容易である。しかし創面に対して斜めや横向きになっている血管からの出血は、見かけ上の出血点と血管の断端の位置が一致しないことが多いので注意が必要である。出血の状況や周囲組織の圧迫所見から血管の断端を探しだし、確実に血管を止血鉗子の先端で挟む必要がある。また皮膚切開に際して血管を損傷した場合には、両方の断端を結紮止血する必要がある。この際、皮静脈などでは中枢端からの出血がないこともあるが、こちらも結紮する必要がある。