キーワード解説：

ごく初期のう蝕を現すＣＯとは、カリエス・オブザベーションの頭文字をとった「う蝕を経過観察する」という意味である。う蝕は脱灰と再石灰化のプロセスといわれ、時々刻々と変化する歯の表面のバランスが崩れ、脱灰に傾けば初期のう蝕となり、さらに進行することで治療が必要なう蝕となる。ＣＯと診断された場合、歯の表面のバランスが崩れている状態なので、進行して治療が必要なう蝕とならないようにするためには、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士からフッ化物の使い方や食事指導、歯磨き指導を受けるなど予防の徹底が大切である。指導後は、１週間程度後に再度来院して指示されたケアができているか確認し、さらに３～４か月様子をみて、その後も定期的に観察を行う。もし経過観察をしていてもう蝕の進行がみられる場合は治療が必要となるが、歯の予後を考慮すると、なるべく治療介入せずに様子をみてから治療する・しないの判断をすることの意義は大きい。