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高齢期の根面う蝕

【読み】:こうれいきのこんめんうしょく
【英語】:root caries in the elderly

キーワード解説:

高齢期の根面う蝕は、小児期のう蝕と同等にリスクが高い。従来の根面う蝕発生要素(歯、細菌、食事、歯肉退縮)のうち歯肉退縮、つまり根面露出の割合が多くなること、さらに高齢期特有の根面う蝕発生因子が介在するためとみられる。
高齢期特有の根面う蝕発生因子には、身体機能の低下(手指感覚や視力の低下によるセルフケアレベルの低下)、全身疾患と服薬(全身疾患による身体の不自由や唾液量の減少、服薬の副作用による口腔乾燥症など)、食生活(食事回数の増加、味覚の変化、健康のための極端な食生活など)、気力の低下(やる気が低下しセルフケアが持続・定着しないなど)、歯周病(治癒や不適切なSRPによる歯肉退縮など)、補綴物や義歯(複雑な形態の補綴物や義歯装着部分の清掃性が低いなど)、楔状欠損(その形状からプラークが停滞しやすく、う蝕になると進行が速い)、歯髄の変化(歯髄の狭窄によってう蝕の痛みを感じず、発見が遅れる)があげられる。
セルフケア指導では患者が無理なく継続できるもの、ソフトな歯ブラシの使用や歯を強化するフッ化物配合歯磨剤などを提案する。プロフェッショナルケアではスケーラーの刃を当てることは避け、超音波スケーラーの水噴射のみでの洗浄を行うなど工夫が必要となる。