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キーワード解説:
日本循環器学会を中心に、心房細動患者への抗凝固療法としてワルファリンの使用が奨励されている。ワルファリンの効果は個人差が大きく、食事や併用薬などにより変動がある。そのためワルファリンを服用している患者に対し、頭蓋内出血などを起こさずに薬効を得るため、モニタリングとしてPT-INR (Prothrombin Time-International Normalized Ratio)の血液凝固能検査を定期的に行い、厳重な管理をしている。2011年3月、血液凝固モニタリングが不要とされる経口抗凝固薬であるダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(以下ダビガトラン)が本邦でも承認が得られ市販された。ダビガトラン(プラザキサ®)は、トロンビンを直接阻害する抗トロンビン薬で、対象疾患は心房細動患者の脳卒中の予防である。2009年、大規模なRE-LY試験が行われ、心房細動患者の脳卒中予防効果はワルファリンより優れていると報告された。