キーワード
キーワード解説:
高血圧症患者では、高血圧のみであれば歯科インプラント治療は可能であるが、多くの場合、高血圧のみではなく合併症をもっており、合併する疾患それぞれのリスク度に従って対応する必要がある。高血圧症患者の主たるリスクは、手術中の血圧上昇、および術中後出血である。術前に収縮期血圧が169mmHgを超える場合には、手術中に収縮期血圧が200mmHg以上に達することが予想されるため、手術は延期する。また、術前は血圧が下がっていても、術中に収縮期血圧が169mmHg以上になって下がらない場合は、手術を中止する。術中血圧上昇が予測される場合には、内科医と対診し、鎮静法を併用し、麻酔医に全身管理を依頼する必要がある。
また、術後に創の治癒不全を招くおそれがあり、創の感染に十分な注意が必要となる。さらに、メインテナンス期にはインプラント周囲での炎症および骨吸収が予想以上に進行する場合もあるので注意が必要である。