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中心位・生理的顆頭安定位

【読み】:ちゅうしんい・せいりてきかとうあんていい
【英語】:centric relation / physiological stable condylar position
【書籍】: さわる咬合,さわらない咬合
【ページ】:8

キーワード解説:

咀嚼筋と顎関節が生理的な状態。中心位(CR)の定義は長く変遷を続けてきた。そのなかでも解剖学的見地から、1987年の米国補綴用語集5版の「左右の顆頭がそれぞれ左右の関節窩内の前上方で、関節結節の傾斜部と対向し、かつ関節円盤のもっとも薄い部分と嵌合している上下顎の位置関係」が臨床の指標として妥当と考えられる。CRの定義は、顎関節構造が解剖学的に正常な配置であることを前提としている。しかし、18~50歳で28~50%の人に関節円板の転位があるという報告があるように、関節円板の位置が正常ではなく、クリッキングがあり、CRの定義に当てはまらない患者も少なくない。その28~50%の皆が、治療を要するようなTMDの不快症状を訴えるわけではない。TMDを訴えるのは、ほんの数%であろうと思われる。厳密に解剖学的に正常な状態ではなくとも(関節頭に対して関節円板が介在していない状態)、生体には許容し適応できる範囲(生理的顆頭安定位)がある。そのため、「中心位(CR)・生理的顆頭安定位」と併記した表記が用いられるようになった。