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ランゲルハンス細胞

【読み】
らんげるはんすさいぼう
【英語】
Langerhans cell
【書籍】
QDI 2013年4号
【ページ】
94

キーワード解説

表皮に存在する樹状細胞の1つ。発見者であるドイツの病理学者ランゲルハンス(Paul Langerhans:1847-1888)にちなんで名付けられている。
 ランゲルハンス細胞は口腔粘膜上皮で主要な抗原提示細胞を代表しており、通常は歯肉上皮の粘膜固有層に存在している。皮膚免疫を司る多くのレセプター(受容体)を持ち、外部から侵入する細菌やウイルス、化学物質、かび、放射線、紫外線、温熱、寒冷などの刺激や、皮膚内部の状況をつねに脳へ伝達し皮膚の均衡を保つセンサーの役目を担う。
 近年の研究では、健康なインプラント周囲粘膜の粘膜固有層において、健康な歯肉と比較してランゲルハンス細胞の数の減少が観察されている。これは自然免疫や獲得免疫応答の刺激の減少、より強い炎症反応やインプラント周囲組織で見られたより著明なマトリクス改造現象などが関連するかもしれないことを示唆している。