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遺伝性血管性浮腫(HAE)

【読み】:いでんせいけっかんせいふしゅ
【英語】:hereditary angioedema
【書籍】: 一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル'13
【ページ】:192

キーワード解説:

HAEは、補体第1成分阻止因子(C1-INH)の先天的欠損または機能不全により、反復性、一過性、限局性に皮膚、皮下組織、粘膜下組織に生じる浮腫を特徴とした常染色体優性遺伝(ヘテロ接合体)を示す疾患である。浮腫発作の発症状況によっては気道閉塞など致命的な結果をもたらすことがある。発作誘因として歯科治療や抜歯は大きな危険因子となる。有病率は一般的に5万人に1人とする報告が多く、本邦では約3,000名程度の患者の存在が推定されている。HAEの浮腫に遭遇した場合、まず喉頭浮腫の有無を確認し、気道閉塞に備える必要があり、症状に応じて専門医受診(血液内科、救急救命センター)を検討する。HAE患者への歯科治療・口腔外科手術時は、予防策として侵襲の度合いに応じてC1-INH補充療法の準備や実施が必要となる。また発作予防として、引き金となる身体、精神両面の刺激は極力避けるよう生活指導を行う。