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非う蝕性歯頸部疾患

【読み】
ひうしょくせいしけいぶしっかん
【英語】
noncarious cervical lesion
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2013年9月号
【ページ】
163

キーワード解説

非う蝕性歯頸部疾患の特徴はう蝕の進行のないセメント-エナメル境近傍の歯質の損耗である.非う蝕性歯頸部疾患は現在多因子性であると考えられており,歯頸部疾患を引き起こし,悪化させる要因は不確かである.提案された病因因子は,摩耗(すなわち,過度のブラッシング圧や歯磨剤中の研磨材の使用),酸蝕(すなわち,酸性食品摂取,胃酸逆流と神経性食欲不振症)とアブフラクション(すなわち,非機能的な活動,クレンチング)である.これらの要因は別々にあるいは同時に作用することがあると思われる.咀嚼,不正咬合,またはパラファンクションは非う蝕性歯頸部疾患の主要な病因因子であると考えられているのに対して,歯の組織の損耗に関連した他の口腔状態は重要視されていない.したがって,まずアブフラクションに注目することが重要である.