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外科的挺出

【読み】:げかてきていしゅつ
【英語】:surgical extrusion
【書籍】: シリーズ MIに基づく歯科臨床vol.04 自家歯牙移植 増補新版
【ページ】:216

キーワード解説:

通常の治療法では保存が困難な歯を、いったん抜歯し、口腔外で必要な処置を行ってから同じ歯槽窩に挺出させて戻す処置。診査・診断から術後管理にいたる治療の流れは、本来の移植と大きく異なることはない。
 外傷やう蝕で健全歯質が骨縁近くまで喪失している歯の歯冠修復を行う場合、生物学的幅径を再確立し、さらに健全歯質を歯肉縁上にある程度確保する必要がある。理由は、生物学的幅径を無視して修復物のマージンを歯肉縁下に設定すれば、歯肉の炎症が惹起されるし、フェルールの少ない修復物は、脱離や歯根破折を助長しかねないと考えられるからである。この目的を達成する方法には、歯冠長延長術(骨切除をともなう歯肉弁根尖側移動術)、矯正的挺出と歯肉弁根尖側移動術の併用、外科的挺出の3 つがある。どの方法にも一長一短があるが、外傷歯では外科的挺出に利点が多い。コンポジットレジンで歯冠修復すれば、時間・費用、将来にわたる再修復治療のしやすさなど、より保存的な治療が可能となる。