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ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)

【読み】:ほうそちゅうせいしほそくりょうほう(びーえぬしーてぃー)
【英語】:boron neutron capture therapy (BNCT)
【書籍】: 一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル'14
【ページ】:26

キーワード解説:

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、ホウ素をあらかじめ腫瘍内に集積させ、そのホウ素に中性子線照射をすることで発生する高エネルギーのα線とLi反跳核(粒子線)を利用して、腫瘍細胞だけをミクロン単位で選択的に破壊する粒子線治療である。エックス線やガンマ線などの放射線治療と比べて治療可能比が大きいのが特長である。大阪大学大学院口腔外科学第二教室の加藤逸郎氏らのグループが、京都大学原子炉実験所のBNCT研究グループと共同で、2001年に頭頸部悪性腫瘍の治療に応用する臨床研究を開始した。適応症は、腫瘍細胞が正常組織中に散在するような高悪性の悪性腫瘍や、神経、血管、重要な臓器に浸潤する腫瘍や転移リンパ節などである。世界でも日本が最先端を走っている臨床研究分野で、現在、原子炉から加速器への転換期にさしかかっている。2014年現在、専用加速器の建設が完成済も含めて全国5か所で進行中である。