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胃食道逆流症

【読み】
いしょくどうぎゃくりゅうしょう
【英語】
gastroesophageal reflux disease
【書籍】
知る・診る・対応する 酸蝕症
【ページ】
30

キーワード解説

 胃食道逆流症(GERD)は、逆流性食道炎により引き起こされる食道粘膜障害、あるいは食道粘膜障害とまぎらわしい症状のいずれか、または両者を引き起こす疾患として定義されている。胃酸とタンパク質分解酵素であるペプシンが食道内に逆流することによって、食道粘膜が損傷し、炎症が誘発されるために発症するもので、その有病率は10%にもなることが推定されている。おもな症状としては胸やけや呑酸があり、口腔内への逆流(または嘔吐)が繰り返されると、歯が強酸に曝露することによって酸蝕症が引き起こされる。胃食道逆流症を原因とする酸蝕症は、酸に直接接しやすい上顎前歯部口蓋側が溶解することが多いが、酸蝕症の進行にともない、大臼歯咬合面、またすべての頬側面で実質欠損を生じ極度な状況下では歯冠部が崩壊するなど、重症化しやすい。