キーワード解説：

　口呼吸は、口腔乾燥によるう蝕や歯周病のリスク増加のみならず、全身的な疾患のリスクとなることが知られている。矯正歯科治療では、成長期の患者に対し、叢生の解消のために急速拡大装置（RME）を用いて正中口蓋縫合をはじめとする上顎骨に付随する縫合を離開させ、歯槽骨ごと歯列を拡大することがあるが、この上顎骨の拡大が鼻腔や気道を拡大し、鼻呼吸を改善するとの報告がなされ、小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者にも有効であるとされてきた。しかし近年、長期予後や咽頭部ではその差がほぼ認められないとする報告もなされている。