専門情報検索 お試し版

手足口病

【読み】
てあしくちびょう
【英語】
hand-foot-and-mouth disease
【書籍】
子どもの口と顎の異常・病変 口の粘膜 編
【ページ】
121

キーワード解説

 手足口病は、手掌・足蹠・口腔内に水疱を生じるウイルス性発疹症であり、コクサッキー(Cox)A-6、A-16、A-10、エンテロウイルス71(EV71)をはじめとするエンテロウイルスにより発症する。
 咽頭から排出されるウイルスによる飛沫感染、便中に排泄されたウイルスの手指を介する経口感染、水疱内容物からの感染などが考えられている。6〜7月にかけて流行の山がみられるが、最近では秋から冬にかけても発生が続いており、通年性の傾向がある。乳幼児を中心に好発するが、学童期でもみられる。
 初期症状として発熱と咽頭痛があり、3〜5日の潜伏期をおいて、口腔粘膜、手掌、足蹠や足背などの四肢末端に直径2〜3mm の紅斑、丘疹および小水疱が出現する。掌蹠の水疱は長軸が皮溝、皮丘に一致した楕円形となる。口腔粘膜では小潰瘍を形成し、ときに疼痛が強い。通常3~7日の経過で水疱は色素沈着を残して消退する。
 口腔内所見においては、ヘルパンギーナ、ヘルペスウイルスによる歯肉口内炎、アフタ性口内炎などの口腔内水疱を呈する症状と類似する。