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ヘルパンギーナ

【読み】
ヘルパンギーナ
【英語】
herpangina
【書籍】
子どもの口と顎の異常・病変 口の粘膜 編
【ページ】
126

キーワード解説

 ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした、急性のウイルス性咽頭炎である。コクサッキーウイルスA群の2、4、5、6、10型などが主要原因ウイルスとされている。2〜7日の潜伏期の後、発熱、哺乳低下、流涎、咽頭痛、嚥下困難などをきたす。手足口病と同様、夏季を中心に乳児や幼児に流行する。感染者の年齢は5歳以下が9割以上で、1歳代がもっとも多い。宿主はヒトだけであり、感染経路は、接触感染を含む糞口感染と飛沫感染である。ウイルス排泄が盛んな急性期の感染力がもっとも強く、回復後も2〜4週間にわたり便から検出されることがある。
 潜伏期は2〜4日程度で、初期症状として突然の高熱と咽頭痛がある。口腔内、主として軟口蓋から口蓋弓にかけての部位に直径1〜2mm、場合により大きいものでは5mmほどの紅暈(こううん)に囲まれた小水疱を呈する。発熱については2〜4日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失する。ヘルパンギーナの場合にも、稀には無菌性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することがある。
 鑑別が必要なものとしては、単純ヘルペスウイルス1型による口内炎、手足口病、アフタ性口内炎などが挙げられる。