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抗血栓療法

【読み】
こうけっせんりょうほう
【英語】
antithrombotic therapy
【書籍】
薬を飲んでいる患者への歯科治療
【ページ】
26

キーワード解説

 抗血栓療法とは、血栓症の発症を抑制する治療のことである。血液は通常、流動性を維持して血管内を流れており、決して凝固することはないが、ある病的状態では血栓を形成して血流を途絶させ、重大な臓器障害を惹起する。また、血栓の種類には、白色血栓と赤色血栓がある。血流の流れが速い動脈にできる動脈血栓はおもに血小板が作用し、血栓の色が白色を呈することから「白色血栓」と呼ばれ、脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などがこれにあたる。一方、血液の流れが遅い静脈内で起こる静脈血栓は赤血球とフィブリンからなり、赤く見えるので「赤色血栓」と呼ばれる。これには肺塞栓、深部静脈血栓症などが含まれる。一般的に、抗血栓療法として、白色血栓が主体の動脈血栓症には抗血小板薬が、赤色血栓が主体の静脈血栓症には抗凝固薬が用いられる。