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天然歯のパフォーマンス

【読み】
てんねんしのぱふぉーまんす
【英語】
tooth performance
【書籍】
ビジュアル 臨床補綴・歯周治療のマネジメント
【ページ】
147

キーワード解説

 田中が長年の臨床経験に基づいて考案・定義した、残存歯がもっている一口腔内での臨床的環境における個々の負担能力を表す指標。具体的には以下の4つの項目で診断される。
(1)支台歯の歯冠長における分類(Class 0:生活歯、Class 1:歯冠がほとんど残っている、Class 2:歯質の厚さが1mm以上でフェルールが3mm以上、Class 3:歯質の厚さが1mm以上でフェルールが1.5~3mm、Class 4:歯質の厚さが1mm以上でフェルールが1.5mm未満)
(2)歯根の要因:歯根幅に対する根管孔の直径の比(Class 0:生活歯、Class 1:根管幅が歯根幅の1/3以下、Class 2:根管幅が歯根幅の1/3、Class 3:根管幅が歯根幅の1/3以上)
(3)歯根長(Class 0:生活歯。周囲の歯槽骨に吸収がみられない、Class 1:歯冠長との比が1:2以上、Class 2:歯冠長との比が2:3、Class 3:歯冠長との比が1:1以下)
(4)歯の質(Class 0:生活歯、Class 1:著しい変色もマイクロクラックも認められない、Class 2:変色は認められるがマイクロクラックは認められない、Class 3:変色もマイクロクラックも認められる)
 これら各項目のClassの値が小さいほど、天然歯のパフォーマンスは高いと判断される。この指標は、抜歯基準や天然歯に補綴治療を行う際の参考となり、またとくにインプラント治療を行う際の隣在歯の耐久性の判断に役立つ。