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シャベル状切歯

【読み】
しゃべるじょうせっし
【英語】
sinodont
【書籍】
nico 2020年 4月号
【ページ】
38

キーワード解説

 舌側面がシャベル状にくぼんだ形態の切歯。おもに上顎に見られる。北東アジア人に特徴的な歯の形態で、日本人の95%がシャベル状切歯を持つとされる。
 米国の人類学者クリスティー・ターナーの学説(1989年発表)によると、アジア人は切歯のタイプにより大きく2つのグループに分けられる。1つは中国人や日本人が属するシャベル状切歯(シノドント)、もう1つが東南アジアに広く分布するシャベル状のくぼみが弱いスンダドントである。
 歯は、人体の硬組織のなかでも腐敗などに対する抵抗性が非常に高いため、発掘時にほぼ完全な形で出土されることが多く、この切歯の形態は、日本人のルーツを考古学的に研究する際の重要な手がかりとなっている。