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軟口蓋挙上装置(PLP)

【読み】
なんこうがいきょじょうそうち(ぴーえるぴー)
【英語】
Palatal Lift Prosthesis(PLP)
【書籍】
QDT 2020年 4月号
【ページ】
63

キーワード解説

 嚥下補助装置のひとつ。軟口蓋を挙上して鼻咽腔閉鎖を補助し、食塊が鼻腔方向に入るのを防ぐ。硬口蓋を覆う床、軟口蓋を後上方に挙上するための挙上子、これらをつなぐ連結部からなる。脳血管疾患後遺症、ALSなどにより嚥下時に軟口蓋が十分に挙上せず、鼻腔方向へ食塊が流れるケースで有効な場合がある。また、開鼻声と呼ばれる鼻に漏れるような発声の改善にも効果がある。装着を続けていると口蓋の動きが改善して装着が不要となるケースもあることから、機能回復を誘導する効果も期待される。概形印象にはシリコーン印象材のパテタイプを用い、可及的に軟口蓋部分を後方まで採得する。そして個人トレーで軟口蓋部分までの精密印象を採得する(誤飲・誤嚥に要注意)。挙上子が軟口蓋を持ち上げると力が離脱方向に働くため、複数の維持力が強いクラスプが必要である。