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FGF-2

【読み】
エフジーエフツー
【英語】
FGF-2
【書籍】
FGF-2と歯周組織再生療法
【ページ】
10

キーワード解説

 塩基性線維芽細胞増殖因子。basic fibroblast growth factor。
 「線維芽細胞増殖因子」(Fibroblast Growth Factor:FGF)は、脳下垂体の抽出液から、線維芽細胞の増殖を促進するサイトカインとして見いだされた。その後、同抽出液中から等電点(タンパク質の正・負の荷電の総和が0になるときのpH)の異なる2つの類似した増殖因子が単離され、それぞれは「酸性(acidic)線維芽細胞増殖因子」(aFGF、 FGF-1)と「塩基性(basic)線維芽細胞増殖因子」(bFGF、 FGF-2)と命名された。現在では、FGF-1やFGF-2と相同性を示すFGFがヒトでは22種類同定されており、 FGF-1、FGF-2 のように数字により異なる分子として命名されている。
 FGF-2は、155個のアミノ酸からなる一本鎖のポリペプチドとして構成されている。その後の解析から、線維芽細胞のみならず、血管内皮細胞・神経外胚葉系細胞・骨芽細胞・軟骨細胞・血管平滑筋細胞・上皮細胞などの、多種類の細胞の増殖を誘導することが知られている。とりわけ、
①強力な血管新生促進作用を有すること
②未分化間葉系細胞の多分化能を保持させたまま、その細胞増殖を促進する活性を有していること
から、FGF-2は再生医療の分野で大きな注目を集めている。