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サホライド

【読み】
さほらいど
【英語】
diammine silver fluoride
【書籍】
nico 2020年 9月号
【ページ】
35-42

キーワード解説

 サホライドとは、う蝕抑制や象牙質の知覚鈍麻剤として用いられているフッ化ジアンミン銀溶液(医療用医薬品)の総称。日本生まれの製剤で、歯科では一般的にビーブランド・メディコーデンタル発売の「サホライド液 歯科用38%」が用いられている。現在は、世界中で小児のう蝕抑制に使われ、「子どもたちをドリルから解放する」との評価が高まっている。
 サホライドにはフッ化物と銀、銀イオンを安定させるアンモニアが含まれる。う蝕が進行して軟化した歯質にこれを塗布すると、フッ化物イオンが唾液中のカルシウムやリン酸と結合し、歯に取り込まれて歯質を修復・強化する。また、銀イオンは歯の内部のコラーゲンなどの有機物と結合し、殺菌・抗菌作用を発揮するとともに濃い黒色に変化する。う蝕が進行していない場合、サホライドを塗布しても歯面は黒色に変化しないため、う蝕の診断にも用いられる。