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がん薬物療法における口腔有害事象

【読み】
がんやくぶつりょうほうにおけるこうくうゆうがいじしょう
【英語】
oral adverse events in cancer chemotherapy
【書籍】
周術期等口腔機能管理の実際がよくわかる本
【ページ】
63

キーワード解説

 がん薬物療法の薬剤は全身に作用を及ぼし、さまざまな有害事象をきたす。口腔粘膜も抗がん剤の影響を受け、粘膜炎、味覚障害が生じる。また、薬物療法による骨髄抑制による白血球減少は易感染性を増すことにつながり、局所的には慢性歯性感染巣の急性転化、全身的には肺炎や敗血症の発症と関連することとなる。加えて血小板減少により歯肉出血が生じることも知られている。口腔粘膜炎の発症は口腔機能の低下に直結し、経口摂取量の減少、免疫機能の低下により、結果としてがん薬物療法のスケジュールおよび予後に影響を及ぼすこととなる。がん薬物療法中の口腔有害事象の予防や口腔機能管理は、円滑な治療の遂行および患者の生活の質の維持に必須である。