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ベーチェット病

【読み】
べーちぇっとびょう
【英語】
behcet’s disease
【書籍】
nico 2020年 11月号
【ページ】
11

キーワード解説

 ベーチェット病とは、慢性の全身性炎症疾患(指定難病56)。口腔粘膜、外陰部、皮膚や眼にできる潰瘍を主たる症状とする。これらの症状が消失と再発を繰り返すのが特徴で、口腔粘膜にできるアフタ性潰瘍が繰り返し再発する場合、ベーチェット病を疑い医科の受診を推奨することが重要となる。
 ベーチェット病の患者は日本では北海道、東北に多く、北高南低の傾向がみられる。発症にはほとんど性差はないが、男性のほうが重症化しやすい。発症年齢は男女とも20~40歳が多く、30代前半がもっとも多い。
 長く原因不明とされていたが、近年、遺伝素因に関わる免疫異常に基づく炎症性疾患であることが明らかになってきた。現在はおもにステロイド薬の投与による治療が行われているが、病気のメカニズムの研究成果をふまえた新たな治療法の解明が期待されている。