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フィルミクテス門

【読み】
ふぃるみくてすもん
【英語】
firmicutes
【書籍】
nico 2021年 2月号
【ページ】
34

キーワード解説

 フィルミクテス門とは、腸内や皮膚に常在する細菌群で、200ほどの細菌が属している。腸内細菌ではバクテロイデス門につぐ主要な菌群で、この菌の優勢が肥満の一因となることが知られている。
 バクテロイデス門の細菌は、食べ物を分解して短鎖脂肪酸を出し、脂肪細胞に働きかけることで脂肪の吸収を抑制する。一方フィルミクテス門の細菌はエネルギー量の多い食事を好み、脂肪や肉類過多の食事によって優勢となる。フィルミクテス門の細菌が増加するとバクテロイデス門の細菌が減少し、それによって脂肪の吸収が加速する。肥満の人の腸内にはフィルミクテス門の細菌が多く、家族間で同傾向が見られることも指摘されている。