<i>Porphyromonas gingivalis</i>
- 【読み】
- ポルフィロモナス ジンジバリス
- 【英語】
- Porphyromonas gingivalis
- 【書籍】
- 歯科衛生士 2021年 3月号
- 【ページ】
- 74
キーワード解説
歯肉縁下のバイオフィルム細菌種で、病原性が高い歯周病菌のこと。歯肉縁下のバイオフィルム細菌の病原性の違いは階級の違いにたとえることができる。病原性がほとんどない細菌種はピラミッドの底辺に、病原性の高い細菌種はピラミッドの頂点にいる。もっとも病原性の高い細菌種はレッドコンプレックスと呼ばれ、その中でいちばん病原性が高い細菌種がPorphyromonas gingivalis(Pg 菌)である。
歯周病はバイオフィルム細菌による感染症である。バイオフィルムの病原性と歯周組織の抵抗性の均衡バランスが崩れることで歯周病が発症する。Pg 菌には栄養素として、鉄分とタンパク質が不可欠であり、血液はこの2つをたっぷり含んでいる。出血がなければ、細菌の病原性は低いままだが、歯肉に炎症が起きて出血が始まると、歯周病菌は栄養を得て激しく暴れ出す。そのためバイオフィルムの病原性は高まり、均衡バランスが崩壊し、歯周病の発症・進行につながる。