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根尖性インプラント周囲炎

【読み】
こんせんせいいんぷらんとしゅういえん
【英語】
apical peri-implantitis
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2021年No.3
【ページ】
144

キーワード解説

 インプラント根尖部に骨吸収像が見られる病態で、「逆行性インプラント周囲炎(retrograde peri-implantitis)」とも呼ばれる。プラークの蓄積により粘膜に炎症が起こりインプラントネック部の歯槽骨吸収を起こす、一般的なインプラント周囲炎の病態とは異なる。有病割合は0.26%、インプラント隣在歯に感染が残っている場合の有病率は7.8%と報告されている。
 原因の1つに隣在歯の根尖病変からの感染波及が挙げられ、Sarmastらの提唱するインプラント根尖部エックス線透過像の分類の「Class2:隣在歯/隣在インプラントの根尖病変からインプラント尖端への感染波及」に該当すると考えられる。同分類では、Class2の治療法として、抗菌療法、隣在歯の外科的・非外科的根管治療、インプラントの郭清・骨増生が、根尖性インプラント周囲炎の予防法として、適切なケース選択、インプラント埋入予定部位および隣在歯に対する適切な臨床検査、生活反応検査などが挙げられている。